Innocent Room

主にアイドルマスターシンデレラガールズ・パワプロについて書いていきます。

【パワプロ】パワプロ2020新球種『パワーカーブ』についての考察

f:id:clt_ins0106:20200518133051j:plain

こんにちは。

 

プロ野球の開幕が遅れている中、バーチャル開幕戦というイベントが開催されています。バーチャル開幕戦では、開発中のパワプロ2020を用いて試合が行われているのですが、その中で2つの新球種がお目見えとなりました。それがパワーカーブシンキングツーシームです。

 

……ですが、パワプロプレイヤーの中には「パワーカーブ?シンキングツーシーム??何それおいしいの?」という人もいるかと思います。

そこで、2回に分けてパワプロ2020での新球種の解説と考察をしたいと思います。

 

今回はパワーカーブ編です!

 

 

 

パワプロ内でのパワーカーブ

実際にパワプロ内で「パワーカーブ」がどのような変化をするのかを考えてみましょう。

開幕カード第3戦にて、福岡ソフトバンク石川柊太投手がパワーカーブを投げていました。(1:54:40)

 

www.youtube.com

 

その映像を見ると、カーブでありながら130km/h近い球速が出ています。また、打者から見て約150°ほどの角度で鋭く落ちているのがわかります。非常に打ちづらい球種となっており、投げられた相手プレイヤーさんも思わず苦笑しています…。

 

でも、この動画だけ見ると「ドロップカーブとあまり変わらなくない?」と思う方もいるはず。確かに変化の角度や球速帯を見ると、従来のドロップカーブに近い変化にも見えます。

しかし、現代野球においてはパワーカーブとドロップカーブは異なる球種と考えることができます。それは「球速差」「使用頻度」という側面から説明できます。

 

ここからは、実際のパワーカーブの使い手を見つつ、パワーカーブについて解説を行っていきます。

サンプル投手として石川柊太投手、ブランドン・ディクソン投手、ピアース・ジョンソン投手のデータを使用させていただきます。

 

 

『パワーカーブ』とは?

その前に、そもそも『パワーカーブ』とはどのような変化球なのでしょうか。

Wikipediaには以下の記述があります。

パワーカーブ(英: Power Curve)とは、先述のスローカーブとは対照的に、カーブとしては球速が速く、タイミングを外すよりも変化の鋭さで空振りを狙う球種。

(Wikipedia『カーブ(球種)』より引用)

ざっくりというと速くて決め球になるカーブといったところでしょうか。

 

今まで考えられてきた”カーブ”は、直球とのスピード差が大きく、空振りを取るよりも打者のタイミングを外すことに重点が置かれた変化球でした。

それとは異なり『パワーカーブ』は、早くて鋭い変化から三振を奪える決め球として機能する変化球です。

 

www.youtube.com

実際にパワーカーブで三振を奪っていく映像を見てみると、パワーカーブは大きな変化量で鋭く曲がるため、空振りを狙いやすい球種であることがわかると思います。

 

ここから先は、実際の数値を見ながら「パワーカーブはどんな球種?」ということをより深く考えていきます。

 

実際のデータ(NPB編)

まずはNPBでのパワーカーブ投手のデータを見てみます。

パワーカーブの使い手として知られる石川柊太投手、同じくカーブが持ち味のブランドン・ディクソン投手らのデータを表にしてみました。 

f:id:clt_ins0106:20200406165248p:plain

(使用データは、石川投手が2桁勝利を挙げた2018シーズンのものです)

ご覧の様に、石川柊太投手は平均よりも圧倒的に高い割合でカーブで三振を取っていることがわかります。また、球速差もNPBの他のカーブ使いやNPB平均と比較して小さいものになっています。

一方でもうひとつ目を引く数字があると思います。それはディクソン投手のカーブについてです。現在のNPBでパワーカーブの代名詞とされる石川柊太投手よりもカーブの投球割合・三振割合・球速差の小ささのすべてで上回っているのです。

 

ここからが解釈の難しいところなのですが、カーブの機能として見た場合、パワーカーブとナックルカーブはほとんど近いものという考え方ができます。「パワーカーブ」という”決め球系のカーブ”の一種としてナックルカーブがある、というと分かりやすいでしょうか。

一方、ドロップカーブは”縦割れ系のカーブ”ではあるものの、決め球というよりはカウント球や目先を変えるための球として用いられることが多いように見受けられます。そのため、パワプロ内での変化こそドロップカーブよりなものの、パワーカーブはドロップカーブよりはナックルカーブの兄弟と見た方がわかりやすいでしょう。

 

 

実際のデータ(MLB編)

次は、メジャーリーグのカーブ投手と”パワーカーブ投手”の選手を比較してみます。

サンプルとして用いるのはピアース・ジョンソン投手(前阪神)です。カーブを武器に圧倒的な救援成績を収めた虎のリリーフエースです。また、比較対象とするのはクレイトン・カーショウ投手ブレイク・スネル 投手です。いずれもサイヤング賞を受賞した、MLBを代表する投手であり、カーブが得意な投手です。

 

f:id:clt_ins0106:20200406172034p:plain

 (データは2019年シーズンのものです) 

 

f:id:clt_ins0106:20200406172916p:plain

(データはMLB通年のものです。また、出典元のデータを一部加工しています)

 

昨年猛威を振るったジョンソン投手のカーブは、「パワーカーブ」の名の通り直球との球速差が17.2km/hと非常に小さくなっています(むしろスライダー並みの速度)。カーショウ投手・スネル投手のカーブと比べると速さが一目瞭然でしょう。

 

MLBではデータ化されている変化量・変化方向について。ジョンソン投手のパワーカーブは、他の2人のカーブと比較して横変化が大きいことがわかります。普段の直球が若干シュート気味なこともあり、直球との変化の差が縦軸にも横軸にも非常に大きいことが見て取れるはず。

ここから見えることは、必ずしもドロップ寄りの縦回転が強いカーブじゃないとパワーカーブと呼べない訳ではないということ。つまり、パワーカーブと言ってもタテ変化型もヨコ変化型もあるということが言えます。

どちらかというと変化方向よりは「球速差」「役割」で見る方がいいかと思っています。

 

 

なぜパワプロがパワーカーブを導入したか

これについては、ズバリ昨今のパワーカーブ投手の増加、および選手査定における需要の高まりといって間違いないでしょう。

日本に来る外国人選手の中では、パワーカーブが武器の投手も増えてきています。実際にバーチャル開幕戦でパワーカーブ5の査定を受けたD.J.ジョンソン投手などはその典型例でしょう。また、メジャーでの流行を受けて日本でも習得を目指す投手が増えてきています。

しかし今までは”高速カーブ””決め球系カーブ”というとナックルカーブかドロップカーブを付けるしかありませんでした。*1

パワプロナックルカーブは”鋭く曲がる”よりも”ゆったりと速く大きく曲がる”変化だったので、パワーカーブの実態とはやや離れていたように感じます。そのため、「鋭く大きく曲がる」「決め球になる」球種としてパワーカーブを導入する必要があったと考えられます。

 

最後に

いかがだったでしょうか。

 

まとめると

・パワーカーブは『球速帯が速め』『決め球として機能する』タイプのカーブ

NPBMLBともに投げ手が増加しているが、2018年までのパワプロでは補完できる変化球がなかったため新設

となります。

 

『パワーカーブ』は非常に奥の深い球種であり、僕自身も完全に理解しているとは言えない状況です。裏を返せば、非常に研究しがいのある球種といえるでしょう。

NPBMLBともに需要も投げ手も増えている球種。そんな変化球の理解の一助に、この記事が少しでも貢献できたなら幸いです。

 

ご覧いただきありがとうございました!

 

 

*1:石川柊太投手、ジョンソン投手がまさにそう